中村歯科医院 健康の入り口

歯周病を予防したい

NHKテレビテキスト  きょうの健康の2014年6月号に 「歯周病を予防したい」という記事が載っていました。歯周病は、歯肉(歯茎)に炎症が起こる病気で、進行すると歯を支えている歯槽骨も破壊されてしまい、日本人の成人の8割以上に歯周病があるといわれていると書かれていました。起床時に口の中が粘つく。抜けたままにしている歯がある。歯ブラシに血が付く。歯が長くなったように見える。この4つの項目に一つでも当てはまる人は、歯周病になっている疑いがあるとも書かれていました。健康な歯肉は、薄いピンク色で、コラーゲンの働きでよく引き締まっています。しかし、歯や歯肉に付着する歯垢(プラーク)の中で、歯周病菌が繁殖すると、歯周病菌が出すコラーゲンを分解する酵素によって、歯肉は腫れてぶよぶよした状態になってしまいます。また、歯周病菌によって産出される毒素や炎症物質などによって骨を溶かす働きが高まると、歯槽骨が徐々に破壊されていき、最終的に歯を支えきれなくなり、歯が、抜けてしまうことになってしまいます。新潟大学大学院医歯学総合研究科の山崎和久教授グループの研究で、歯周病の原因となる細菌をのみ込むと腸内細菌のバランスが壊れ、様々な臓器や組織に炎症を起こすことが明らかになったと読売新聞が2014年6月18日にオンラインで伝えています。

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大人の歯科矯正

週刊朝日の2014年5月30日号に、「大人の歯科矯正」についての記事が載っていました。見た目を美しくする目的で受ける人が多かった大人の矯正歯科治療ですが、最近では機能の維持や歯周病予防、高齢になっても自分の歯を残す目的で矯正治療を受ける人が増えてきているそうです。認知症の予防や全身の健康維持のためには、1本でも多くの歯を残して健全な食生活を送ることが大切です。噛む能力の向上や口の健康増進の一環として、歯並びを治す矯正を視野に入れておきましょうと福岡歯科大学矯正歯科学分野の石川博之教授が記事の中で述べています。2012年の時点で、新たに本格的に矯正治療を始める人数は、年間推定20万~25万人だそうです。一般に矯正治療は保険がききません。(顎変形症を伴う場合は保険適用)また矯正治療は抜歯を伴うこともあります。抜歯が必要なのに抜かずに矯正すると、顎に歯が収まりきらない症例も少なくありませんので、まず視診とX線で歯や顎の骨、頭蓋骨を診る。さらに噛み合わせなどの口の中の状態を調べ、治療のゴールを決める。そしてゴールに向かって歯をどのように動かすか、綿密な設計図をつくることが大切です。患者さん一人ひとりの口に最適な設計図をつくってくれる歯科医師を選んで下さいと記事には書いてありました。

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美と健康の秘薬「唾液」

婦人公論の2014年5月7日号が「40代から体の衰えをストップできる人、できない人」を特集していました。特集には、先のことと思っていても、老化は知らずにしのび寄っているので、老化を左右する「脳」と「口」と「血管」の3つのパーツに目を向けて、立て直しましょうと書いてありました。口の項目を担当しているのは、鶴見大学歯学部の斎藤一郎教授です。口は老化が出やすい場所であり、なおかつ全身の健康とも直結しているので、「噛む筋力」と「唾液力」をアップさせることをすすめています。筋力の低下で噛む力が弱まり、唾液の分泌量が減少すると唾液の4つの大切なはたらきが低下するからです。

①口に入れた食べ物の栄養を分解し吸収を高めるはたらき。

②口内や食道の粘膜が傷つくのを防ぎ、傷を修復してくれるはたらき。

③細胞を酸化させて老化を進め、がんの原因にもなりうる「活性酸素」を退治するはたらき。

④唾液中のEGFという成分が肌や髪の毛などの再生能力を引き上げるはたらき。

この4つのはたらきをもつ唾液は、健康に欠かせない“若さの秘薬” なのだと斎藤一郎教授は言っています。健康な人は、1日に約1.5ℓの唾液が分泌されているそうです。特集記事の見出しにはこう書かれていました。美と健康の秘薬「唾液」をたくさん出しましょう。

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噛める人はなぜ死ぬまで健康で長生きできるのか?

2014年4月25日号の週刊ポストが、最新デンタル・サイエンスと題した16ページに及ぶ特集を載せていました。特集の中で、噛むことが長生きの秘訣であることを示す根拠として、厚生労働省が行なった「口腔保健と全身的な健康状態の関係について」というプロジェクト研究を紹介しています。この調査研究によって、歯を失って噛めない人は寿命も短くなることが裏付けられていると書かれていました。また最近は「口の健康」がもたらす効果に医師も注目し始めていて、医学界の重鎮の2人が語る「歯科医療のすごい力」についても特集で取り上げられています。国立がんセンター元総長で現在、日本対がん協会会長の垣添忠生さんは、がん治療に口腔ケアを取り入れると治療成績が上がるというデータもあり、実際、がん治療に真面目に取り組んでいる施設は、歯科医がチーム医療に参加し、口腔ケアを行っているところが多いと語っています。また日本リハビリテーション病院・施設協会会長で長崎リハビリテーション病院院長の栗原正紀さんは、寝たきりを予防するには、早いうちからリハビリを開始する必要があり、そのためには医師や看護師だけの力では不十分で、歯科医や歯科衛生士による口腔ケアや口腔機能の回復が不可欠だと語っています。最後まで人としての尊厳を守り、諦めないで口から食べることを大切にする「口のリハビリ」医療ができるシステムを構築できれば、日本の寝たきり高齢者は激減するはずですと書かれていました。

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生活習慣病と認知機能

日本臨床という医学雑誌が、2014年4月号で “生活習慣病と認知機能” という特集をやっていました。その特集の中で、認知機能は食事、運動、仕事、休養、喫煙、飲酒などの生活様式や、悪しき生活様式による生活習慣病に大きく影響される。そのことが、近年の疫学調査により明らかにされてきたと書かれていました。認知症の予防を見据えて治療を目指した方がいいという生活習慣病には、次のようなものがあります。高血圧症、糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドローム、虚血性心疾患、心不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)肝疾患、ロコモティブシンドローム、睡眠障害、歯周病などです。特集の中で歯周病のところを執筆しているのは、名古屋市立大学大学院医学研究科病態生化学の道川誠教授です。「哺乳類に限らず、ほとんどの動物は、餌を見つけて食べることに生きている時間のほとんどを費やすことを考えれば、口腔機能と脳機能とは想像以上に深い関連があると思われる。歯科疾患は治療が比較的安易であることから、歯科疾患の治療によって認知症などの中枢神経疾患が予防できれば、大きな意義をもつと考えられる」と道川教授は、歯周病項目の最後のところで書いていました。

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舌まわし体操と舌診断健康法

日経ヘルス2014年4月号で舌まわし体操&舌診断健康法が紹介されていました。普段は意識して動かすことが少ない舌ですが、「加齢やかむ回数の減少、かみ合せなどが原因で舌の筋力が衰えると、顔がたるむ、唾液が出にくくなるなどさまざまな問題が起こる」と日本歯科大学新潟生命歯学部の小出馨教授が言っています。唇を閉じ、歯ぐきに沿って歯の外側で舌をぐるりと大きく1周2秒のペースで回し、右回り20回と左回り20回の2セットを朝昼晩に行う舌まわし体操は、顔の表面にある筋肉だけではなく、あごや首などのインナーマッスルも鍛えられます。血液やリンパの流れを改善し、自律神経の働きを整えるほか、免疫力を高める効果もあるそうです。中医師の幸井俊高さんは、舌に表れる体調不良や病気のサインを見逃さないように、毎朝の歯磨き前の新習慣として舌のセルフチェックを勧めています。お疲れ舌、食べ過ぎ舌、むくみ舌、血液ダウン舌、冷え舌などの舌の状態を知っておくと日々の体調管理に役立つはずです。

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味覚障害

味の基本は甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5つです。しかし、最近こうした味を正常に感じられない味覚障害の日本人が増えていることが週刊朝日2014年3月21日号の中で紹介されていました。味覚障害の主な原因は、亜鉛不足と持病薬の副作用だそうです。口の中で食べものから味を取り込んでいる味細胞は、亜鉛が不足すると機能が落ち、味を感じにくくなってしまいます。亜鉛の必要量は成人男性で1日12ミリグラム、女性は9ミリグラム。通常の食事でおおむね摂取できる量ですが、極端なダイエットやインスタント食品、加工食品ばかりの偏った食生活では不足してしまうと書かれていました。降圧薬や糖尿病薬、抗うつ薬などの中には、副作用で亜鉛不足を起こす薬があり、持病で薬を飲んでいる人は、注意が必要だとも書かれていました。唾液は食べものを溶かして味覚物質を味細胞に運ぶ役割を担っています。しかし、唾液の分泌が少なければなかなか味細胞に到達できず、味を感じにくくなります。東京歯科大学千葉病院の味覚異常外来の井上孝教授は唾液分泌を促すマッサージとよく噛むことを勧めていました。

糖尿病と歯周病との深い関連

30年以上前から糖尿病の治療を続けていて、数年前に歯周病の手術を受けた札幌市の女性(64歳)は、「2つの病気の関係をもっと早く知りたかった。歯周病で命を落とすことはないと思う人が多いかもしれないが、侮らないでほしい」と話していました。これは、2014年3月20日の毎日新聞の “歯周病  糖尿病と深い関連” という記事の中で紹介されていたものです。歯周病は、歯と歯肉の境目の歯垢にすみついた細菌が歯肉に炎症を引き起こし、やがて、歯を支えている骨が溶けていく病気です。北海道大学病院歯科の菅谷勉准教授は「歯垢1㎎中の細菌数は1億~2億個と大便と同じレベル。ある研究によると深さ5ミリの歯周ポケット(歯と歯茎のすき間)が28本の歯全部にあると総面積は、手のひらほどの広さになる。皮がむけた手のひらに大便を塗っているような無防備な状態だ」と記事の中で指摘しています。これらの歯周病の原因菌が血管に入ると血糖値をコントロールするインスリンの働きを悪くする物質が白血球から作られて、それによってインスリンが働きにくくなれば、正常な血糖値を維持することは難しいと書かれていました。

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口臭の3大原因

口臭の3大原因は、①歯周病 ②舌の汚れ ③唾液分泌の減少だという記事が2014年2月25日の毎日新聞に載っていました。口臭の原因や予防法を解説しているのは、東京医科歯科大学附属病院で 「息さわやか外来」を担当する川口陽子教授です。歯周病になると歯肉の組織が破壊されて出血したりうみが出たりします。これを細菌が分解し、揮発性硫黄化合物を発生させるので口臭の原因となります。口臭の原因として最も多いのが歯周病だそうです。舌の汚れとは、舌の上についた白や淡黄色の「舌苔」のことです。死んだ細菌やはがれた粘膜などからできており、これが舌の奥の方につくと、口臭の原因となることが多いと書いてありました。口臭は唾液の分泌量とも関係します。唾液の量が多いと、口の中の汚れが洗い流され、口臭は減ります。しかし。唾液が少ないと口の中の汚れがたまって口臭が強まります。唾液の分泌量は加齢とともに減りますが、緊張やストレスでも分泌が悪くなるので注意が必要だといっています。病気が原因の口臭は根本的な原因を除去しない限り、ガムや洗口剤などでは改善しないので、口臭専門外来を受診することを川口教授は勧めています。

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健康の入り口は歯

2014年2月16日(日)に 「駆け込みドクター」 という番組が “健康の入り口は歯” というテーマで放送されました。循環器科と消化器内科と内科の医師と歯科医師3名が専門家の立場から、歯が健康に及ぼす影響について解説していました。循環器科の池谷医師は、歯周病は2型糖尿病の合併症の一つといわれていて、糖尿病があると歯周病が悪化しやすいと以前からいわれていた。しかし近年は、歯周病があると2型糖尿病の発症のリスクを高め、糖尿病の症状を悪化させることがわかってきたとコメントしていました。また消化器内科の大竹医師は、食道がんは歯周病と関連があるという研究データがあって、食道がんの細胞から多くの歯周病菌が確認されていると語っていました。すい臓がん、腎臓がん、肺がん、血液のがんと歯周病との関連を示す男性のみの研究データもあるそうです。内科の森田医師は、高齢者は喉の働きがうまくいっていないことが多いので、口の中の汚れが気管とか肺に入って誤嚥性肺炎をおこしてしまう。それが死亡原因にならないよう口の中はきれいにしておいた方がいい。特にお年寄りの口腔ケアは大切だと訴えていました。“健康の入り口は歯だ” ということを内科などの先生たちが言い始めていることが注目に値します。

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