中村歯科医院 健康の入り口

噛む治療

女性週刊誌・女性セブンの2012年10月18日号で、ガムを噛むことでさまざまな病気の治療や予防ができる実例が紹介されていました。

大分県湯布院から西へ約10㎞の山々に囲まれた静かな町に住む78歳の女性は、半年ほど前まで、脳梗塞の後遺症で認知機能が衰えて言葉が発せられず、ほぼ寝たきりの状態だったのが、歯科医師のすすめで、ガムを噛んでみると、寝たきりを知る役所の人が「え~っ」と驚くほどの変化が生じたそうです。この78歳の女性にガムを利用した「噛む治療」を行ったのは、歯科医師の間では有名な河原英雄先生です。「食べ物が口の中に入ると、唇や舌は、それが何かを認識しようと働き始めます。次に食べ物を噛むために、あご関節や唾液を分泌する唾液腺などたくさんの器官が働いて、どんな味か硬さはどのくらいかを判断していきます。脳にはこうしてさまざまな情報が送られ、刺激を受けて脳が活性化していくのです」と記事の中で河原先生は語っています。

歯科医院に通う目的を変える

週刊朝日2012年10月26日号の新・名医の最新治療というコーナーで「予防歯科」がとり上げられていました。

生涯健康な歯を保つための「予防」という名の治療が、日本でも広がり始めているそうです。

遺伝的には同じような歯の質だった姉弟が、長年の予防治療の有無によって、歯の寿命が大きく変わってしまったケースが紹介されていました。むし歯を早期発見し、歯科医院で早期治療するという考えはもう過去のもので、これからの歯科医院は、早期にむし歯や歯周病のリスクを発見し、予防する場所になっていく。

死ぬまで自分の歯を使いたいのなら、そのためには、歯科医院に通う目的を変える必要があると書かれていました。

「歯垢」や「歯周病」で寿命が縮まる

順天堂大学の加齢制御医学講座の白澤卓二教授が、週刊ポスト2012年10月12日号のコラムの中で、歯垢に関する新たな研究結果が注目されていると書いていました。

その研究とは、スウェーデン・ストックホルムのカロリンスカ研究所歯学部門のセーデル博士が24年間にわたって追跡した調査に基づくもので、歯垢の沈着の程度と死亡率の間に明らかな関連性が見いだされたそうです。

がんの発症に歯垢がどのように影響しているのかは、この調査研究では結論が出ていませんが、セーデル博士は「感染症や炎症が全悪性腫瘍の15~20%に関与することから、歯垢が口腔や全身の感染症や炎症を引き起こし、ガンの発生率を上げている」可能性を指摘しています。

歯を大切にして健やかな老後を

2012年10月22日号の婦人公論に、歯が健康な人ほど長生きで、要介護状態や認知症になりにくいという記事が載りました。

歯の健康が、長寿にもつながることを裏付ける研究結果が発表されていて、福岡県で行なわれた調査では、歯の本数が多く、噛む力が高い人に比べ、低い人は寝たきりや要介護認定を受けるケースが7.5倍という結果が出たそうです。また歯の本数が少ない高齢者には、アルツハイマー型認知症の特徴である海馬の萎縮がみられたという東北大学の報告もあります。「女性は男性よりもエナメル質が弱く、象牙質も薄いため、虫歯になるリスクが高い。そのうえ、更年期などでホルモンバランスが乱れると骨密度が低下し、歯周病が進行しやすくなります」という歯科医のコメントも紹介されていました。

歯髄細胞バンク

東京・中野区にある歯科医院で、9歳の男の子が初めての抜歯をしようとしています。抜いた歯は細胞保管施設へ搬送されてから、歯髄細胞が摘出され培養されます。検査で問題がなければ-196℃で冷凍保管される予定だそうです。写真は、2012年10月25日(木)にワールドビジネスサテライト(WBS)という報道番組の特集で放送された画像の一部です。特集のタイトルは、「iPS細胞ビジネス」でした。岐阜大学などの研究で、歯髄細胞からiPS細胞が効率的に作れるということが判明したことから、歯髄細胞バンクのビジネスが始まっています。採取時の外科侵襲がある骨髄バンクや出産時にしか採取できない臍帯血バンクより、歯髄細胞が細胞バンクとして適しているのは明らかです。従来、医療廃棄物として処理されてきた親知らずや乳歯などから採取可能な自分の歯髄細胞が、将来、再生医療を受けるときの、かけがえのない財産となるわけです。

「抜けたその乳歯がお子さんの未来の健康を守ります」という再生医療の研究がすすんできています。